開催実績2024
結果報告
アワード受賞企業
ifia JAPAN / HFE JAPAN 2024
最優秀賞 出展社の中で、製品、技術において最も優れた企業
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
多彩な製品・技術をPR、アプリケーション事例も多数紹介三栄源エフ・エフ・アイは、同社が取り揃える多様な製品や技術とそれらを融合させたアプリケーション事例を紹介し、ソリューション提案を展開した。 ブースは南1・2ホールの中央で、メイン通路沿いに位置し、今回の展示会の中心的な存在であった。2階のホール入口から会場を見渡すとブース上部に掲げられたボードに記された展示コンセプト「技術と感性で食の世界を切り拓く」を即座に認識できた。 ブースには、食の五つの要素である「色」「香り」「味」「食感」「機能・健康」を記したパネルが配置され、各々に関連する製品・技術が紹介された。「色」コーナーでは着色料、「香り」コーナーでは香料、「味」コーナーでは甘味料や調味料等、「食感」コーナーでは安定剤等、「機能・健康」コーナーでは日持向上剤、酸化防止剤、機能性素材を展示。なお「色」コーナーでは、FDAで認可予定のクチナシ青色素「サンエイ ブルー」を使ったキャンディーを配布した。それぞれのコーナーから中央部に向かって梁が延びており、その先では、食の五つの要素を融合させたアプリケーションの開発事例が食品サンプルを交えて紹介されており、ひときわ来場者の関心を引いていた。製品・技術力はもちろん、明確な展示コンセプトとわかりやすいブース構成、そしてブース担当者の丁寧な対応が印象的だった。
製品力賞 出展社の中で、製品が特に優れた企業
伊那食品工業株式会社
独自性高い食感を実現「ウルトラ寒天SV-100・TR-100」
伊那食品工業は、多彩な食感を実現する寒天製品や増粘剤製剤などを紹介し、その独自性が評価された。特に低ゼリー強度寒天「ウルトラ寒天」シリーズの新製品「SV-100」、「TR-100」に注目が集まった。 SV-100は、従来のウルトラ寒天同様なめらかで濃厚な食感を維持しながら、口腔内の付着性を抑えたゲルを形成する。プリンなどに適するほか、錦玉羹(きんぎょくかん)やゼリーに同品を配合するとゼリー同士の結着性を向上させることも強み。今回は6層の鮮やかなゼリーを展示した。またTR-100は、SV-100より粘弾性を高め、ハリがありなめらかな食感を実現できる。低濃度でも濃厚感を付与できるため飲料のボディー感底上げに役立ち、来場者の反応も上々だった。営業本部営業推進部の池崎紀夫氏は「展示会後は、営業で一丸となりお客様のニーズを聞き逃さずフォローしていきたい。またその声を商品開発にどう落とし込むかが大切だ」とコメントした。
亀田製菓株式会社
機能・物性使いやすい「植物性乳酸菌」
亀田製菓は、植物性乳酸菌素材で製品力賞を受賞した。玄米由来で整腸作用や乾燥による肌状態の悪化抑制作用を有する機能性表示食品制度対応素材「植物性乳酸菌K1」および、花粉などによる鼻の不快感を抑制する機能性表示や抗肥満効果、アトピー性皮膚炎、冬場の感冒予防に効果をもつ酒粕由来の「同K2」の臨床試験による研究データや採用事例を紹介し注目を集めた。植物性乳酸菌は各品とも、乳酸菌(殺菌体)を1g当たり1兆個以上を含有する微細パウダー粉末。食品への分散性が良好で、苦味やえぐみ、酸味もなく、製品中で乳酸を生成しない。耐熱性も高いことから、多様な食品への応用が可能だ。ブース担当者は「臨床試験による確かなエビデンスと様々な製品形態でも機能性表示が可能という使いやすさを評価していただいたのではないかと思う。これからも機能性表示を主体として、多くのエビデンスを取得し、製品力を高めていきたい」と喜びを語った。
SDG’s賞 製品・技術が特にSDGsに貢献できると評価された企業
DM三井製糖株式会社
身体・脳・心を支える素材でWell beingに貢献
DM三井製糖は、「パラチノース」をはじめとする“身体”“脳”“心”を支える素材を紹介し、白と木目を基調としたブースでWell-being を実現するための展示を行った。 身体に対しては、ごま由来素材「リピスマート」が持つ食後中性脂肪の上昇抑制作用や、パラチノースの食欲抑制作用などを紹介した。脳においては、パラチノースが持つ集中力持続作用や食後の眠気抑制作用などを解説。心については、おいしい食を支える素材として、マスキングに好適な「さとうきび抽出物」、食感改善に役立つ「竹由来不溶性食物繊維」、コク出しに有用な「コクミシュガー」を紹介した。事業推進本部本社営業部営業1課の稲葉千裕氏は、「3テーマで『どの世代でも健康に楽しく生きる』ことを目指した。ブースに立つ社員は特製の法被を着用し、一体感のある展示となった」と話した。
マリン・サイエンス株式会社/MSC Co., Ltd.
冷チル対応で評価、フードロスへの期待高く
アワード初受賞となったマリン・サイエンス/MSC Co., Ltd.は、冷凍対応のゲル化剤製剤「MCG5GP」の優れた特性が評価され、SDGs賞に輝いた。同社では、ローカストビーンガム不使用ゲル化剤製剤「MCGシリーズ」を加熱殺菌ゼリーやチルドゼリー、ドリンクゼリーなど各種用途向けに展開しており、なかでも「MCG5」は冷凍対応かつ離水を抑える特徴を持つ。粉末寒天や一般的なゲル化剤と比べて、冷凍から解凍した際の離水を大幅に低減し、また解凍してもゲル強度が変化しないため、おいしさを損なわない。MCG5GPはMCG5の配合比率を調整し、汎用性の高いゲル化強度とコストに設計した。製品製造後に冷凍保管し、流通時に冷蔵保存で出荷する〝冷チル〞対応可能で、フードロス対策に貢献するとして、来場者の注目を集めた。
技術賞 出展社の中で、技術(研究・開発)が特に優れた企業
小川香料株式会社
試飲で高い技術実感、課題解決する機能性香料
技術力賞に輝いた小川香料は、バルーンを高く掲げた開放的なブースデザインが目を引いた。展示では日本各地の産地と提携して開発した、特産農産物を使った香料やコロンビア産コーヒーエキスのほか、炭酸感を高める「カーボセーションフレーバー」など飲料開発時の課題を解決する各種機能性香料などを、試飲も交えて紹介した。来場者から特に人気を集めたのは、需要の広がるプロテイン飲料向けのマスキング香料で、ブース内に設けられたカウンターには来場者が途切れることなく訪れ、質問や情報交換を行っていた。今回の受賞に関して、同社の及川心吾フレーバー事業部長は、「ユーザーの抱える課題を解決する機能性香料の開発には技術力が不可欠で、今回はその点をご評価いただき、大変嬉しく思う。今後も引き続き、技術力を磨き香料開発に活かしていくと同時に、国内産素材の有効活用などSDGs推進にも寄与できるよう、会社として取り組んでいきたい」とコメントした。
オリザ油化株式会社
多彩な素材と充実したエビデンス、新たな機能性続々
オリザ油化は、14素材22ヘルスクレームと多くの機能性表示食品対応素材を持ち、オリザセラミド、オリザギャバ、Saflee、フェムベリー、紫茶エキスなど多彩な自社素材を展示し、技術力賞に輝いた。新たな有効成分であるヒト型セラミドを単離・同定したオリザセラミドは、これまでの保湿作用に加えて、新たに紫外線による色素沈着の抑制による美白作用を確認し、現在特許を出願中だ。このほか紫茶エキスでスポーツパフォーマンスについてアメリカで大規模臨床試験を行うなど、各素材でエビデンス拡充を図る。 村井弘道社長は、「当社はエビデンスの構築を強みにしている。今後も商品開発をしてエビデンスを提供して終わりとするのではなく、お客様の多種多様なご要望に真摯に姿勢を正してお応えするような会社でありたい。現在、年間で最低1つの新商品・新素材の上市を目標に研究開発から上市までの事業活動を始めて30年以上が経った。この姿勢を今後も崩さずに続けていきたい」とさらなる研究開発に向けた意欲を示した。
ベストPR賞 出展社の中で、プロモーションにおいて特に優れた企業
あじかん株式会社
ごぼう原料チョコレート様素材のカカオ風味に驚き
あじかんは、ごぼうを主原料としたチョコレート様の食品素材「MelBurd」(メルバード)を紹介し、多くの票を獲得した。同素材を用いた新スイーツ「GOVOCE」(ゴボーチェ)の試食を行い、カカオ不使用ながらチョコレートのような味や風味、口どけに驚く来場者でブースは常に賑わった。メルバードは、同社独自の特許製法で焙煎したごぼう茶葉、植物油脂、砂糖、乳化剤を原料とする。同社では、焙煎ごぼうがカカオと共通する香気成分を有することを見出し、論文報告されているカカオの香気成分10種類中8種類を含むことを発見。ごぼうのもつ芳醇な香りを洗練し、原料を極限まで微粒子化することで、特有の香ばしさを残しながらチョコレート様のおいしさを再現した。担当者は、「カカオの高騰も相まって興味を持ってくださる方が多かった。一目でわかりやすい展示と、試食して興味を持ってもらいやすい商品ということが受賞に繋がったように思う。今後も認知拡大に一層注力していきたい」と語った。
森永製菓株式会社
注目集めた「パセノール」、サーチュイン遺伝子活性を発表
森永製菓は、南3ホールの機能性表示食品開発パビリオンエリアにおいて4小間で展開、華やかなブース設計で来場者の注目を集めた。展示会担当者の松井岩城氏は「ベストPR賞をいただきありがとうございます。今回は、海外からのお客様も多く、中国、台湾、アメリカといった方々に立ち寄っていただいた。名刺を頂いた方々は、資料の送付とともに、当社のパセノールが出展する海外の展示会を紹介しようと思っている。とても有意義な出展となって良かった」と話した。同社は、パッションフルーツ種子由来の機能性表示対応素材「パセノール」について、サーチュイン遺伝子を増加させた研究成果を5月9日に大々的に発表しており、その流れでifia/HFE2024に出展し食品業界から脚光を浴びるストーリー展開となった。「パセノール」は、同社が独自開発した美容系素材。肌の潤いを守る機能性表示食品対応素材でもあり、ピセアタンノールを関与成分としている。今後は、世界各国に「パセノール」の魅力をPRしていく。
審査員特別賞 出展者の中で、出展品目の可能性が特に優れた企業
邦泰生物工程(深圳) 有限公司
優れた研究・開発力が特徴のNMN、高麗人参などPR
審査員特別賞を受賞した邦泰生物工程(深圳)は、2012年7月に設立された酵素技術を用いて化合物を製造するメーカーである。今年の出展品目はNMNと高麗人参が中心。同社は化成品メーカーを母体として活動してきたが、NMNの生産を期に食品業界に参入し、NMN業界のパイオニアとして世界各国に供給を行っている。GMP取得工場で製造されるほか、170を超える特許を有する。
また、研究から生産、販売までを一貫して行える点も強み。特にNMNは日本のメーカー担当者の興味を引いていた。 審査員特別賞の受賞にあたり、同社は「これまでいくつかの日本の展示会に出展してきたが、初めてのことで嬉しい」とコメント。こうした評価も励みにして高品質な素材の提供につなげたいと語った。
コンビ株式会社
品質管理にこだわった高密度濃縮殺菌乳酸菌素材「EC12」など出品
コンビは、高密度濃縮殺菌乳酸菌素材「EC-12AF」、殺菌ビフィズス菌素材「BR-108」、体内時計調節素材「ネムノス」、ポリアミン高含有素材「ソイポリア」、酵素処理ツバメの巣素材「コロカリア」、SOD活性誘導素材「メロングリソディン」、脳の働きをサポートするクルミ抽出物「Protygold」など多様な製品の最新エビデンスや採用事例などを紹介し、審査員特別賞を受賞した。 ブース担当者は同社の取り扱い素材や取り組みについて、「しっかりと構築されたエビデンスに裏付けられた製品であることが皆様に少しでもご理解いただけた結果かなと受け止めている。当社は、ベビー用品などを取り扱う企業であり、安全を目指した品質管理にこだわったモノづくりを行っている。ほかにはないエビデンスを有する素材を研究開発部門と一緒に作り上げており、今後もこの姿勢を貫いていきたい」と抱負を語った。